道の駅や直売所で野菜を販売している方から、よくいただくご質問があります。
「POPに何を書けばいいのか分からない」
「どうすれば、商品の魅力がお客さまに伝わるのでしょうか?」
そんな方にご紹介したいのが、以前、ある道の駅で見つけた一枚の手書きPOPです。
特別なテクニックを使ったPOPではありません。
けれども私は、そのPOPを読んで思わず足を止めました。
道の駅で見つけた一枚の手書きPOP
以前、家族で香川県を訪れたときのことです。
目的地へ向かう途中、小さな道の駅に立ち寄りました。
道の駅や直売所には、その土地ならではの商品や雰囲気があります。
特に買い物をする予定がなくても、私はつい売場を見て回りたくなります。
その日も、娘と一緒に野菜が並ぶコンテナを順番に見ていました。
すると、あるコンテナに一枚の手書きPOPが貼られていました。

近づいて読んでみると、次のように書かれていました。
私が栽培しました。
今年2月で92才
まだまだ元気です。
水やり2時間順調に育ちました。
ぜひ召し上がってください。
どこより安い
かおるが育てた野菜です。

なぜ、このPOPに足が止まったのか
このPOPは、きれいにデザインされたものではありません。
目を引くキャッチコピーが書かれているわけでもありません。
それでも、作った方の姿が自然と浮かんできます。
- どんな人が育てたのか
- 何歳になっても元気に農作業を続けていること
- 毎日、水やりに時間をかけていること
- 自分が育てた野菜を食べてもらいたいという気持ち
商品名と価格だけでは見えなかった、生産者の人柄や栽培の背景が伝わってきます。
野菜そのものだけでなく、「かおるさんが育てた野菜」として見えるようになるのです。
これが、このPOPの大きな力だと感じました。
POPは、お客さまへの「ひと声」
POPに何を書けばよいか分からないときは、目の前にお客さまがいる場面を想像してみてください。
あなたの野菜を、興味深そうに見ているお客さまがいます。
その方に、どんな言葉をかけるでしょうか。
「今朝、収穫してきました」
「生でも甘く食べられますよ」
「毎年、この野菜を楽しみにしてくださる方がいるんです」
「まずは、こんな料理で味わってみてください」
実際にお客さまへ伝えたい言葉を、そのまま文字にする。
それが、POPの出発点です。
難しいキャッチコピーを考えなくても大丈夫
POPを書くとなると、
「目を引く言葉を考えなければ」
「短く、うまくまとめなければ」
と、難しく考えてしまうことがあります。
けれども、お客さまと会話をするとき、最初から気の利いた言葉を準備することは、それほど多くありません。
商品のよさを知ってもらいたい。
おいしく食べてもらいたい。
そんな気持ちで、自然に話しかけるのではないでしょうか。
POPも同じです。
上手な文章を書くことよりも、生産者自身の言葉で伝えることが大切です。
POPに書く内容を見つける4つの質問
何を書けばよいか迷ったときは、次の質問から考えてみてください。
- どんな思いで、この商品を作りましたか?
- 栽培や収穫で工夫したことはありますか?
- どんな味や食感を楽しめますか?
- おすすめの食べ方や料理はありますか?
すべてを書く必要はありません。
一つだけでも、お客さまに伝えたいことを選んで、自分の言葉で書いてみてください。
まずは一商品、一枚のPOPから
最初から完璧なPOPを作ろうとしなくても大丈夫です。
まずは、自分が特におすすめしたい商品を一つ選びます。
そして、その商品を目の前のお客さまに紹介するつもりで、一枚書いてみてください。
今回ご紹介した92歳の生産者さんのPOPは、難しいテクニックよりも大切なことを教えてくれています。
商品の向こう側にいる「人」や「想い」が見えるとき、野菜の魅力は、よりお客さまに伝わりやすくなるのではないでしょうか。

POPに何を書けばいいか迷った方へ
「お客さまに話しかけるように書く」と分かっても、実際に白い紙を前にすると、言葉が浮かばないことがあります。
『売れるPOPの書き方ハンドブック』では、商品の選び方から、伝える内容、レイアウト、ペンの使い方まで、手書きPOPを実践するための手順を具体的に解説しています。
POPをこれから始めたい方や、書いているけれど成果につながらないと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。













