農産物を直売所や道の駅、小売店などで販売する方法には、大きく分けて次の2つがあります。
- 委託販売
- 買取販売
簡単に説明すると、
委託販売は「お店に商品を預け、売れた分の代金を受け取る方法」です。
買取販売は「お店が商品を仕入れ、生産者へ代金を支払う方法」です。
この違いによって、売上が決まるタイミングや、売れ残った商品の扱いなどが変わります。
ここでは、農産物を出荷する前に知っておきたい、
それぞれの仕組みと注意点を解説します。
委託販売と買取販売の主な違い
| 委託販売 | 買取販売 | |
|---|---|---|
| 販売の仕組み | お店に商品を預けて販売してもらう | お店が商品を仕入れて販売する |
| 生産者の売上 | 商品が売れた分だけ発生する | 契約や納品などの条件に基づいて発生する |
| 売れ残り | 生産者が回収する場合が多い | 原則としてお店側が負担する場合が多い |
| 価格 | 生産者が設定できる場合が多い | お店との交渉によって決まる |
| 生産者の収入 | 売れ行きによって変動する | 数量と買取価格が決まれば見通しを立てやすい |
| 主な販売先 | 直売所・道の駅など | スーパー・小売店・飲食店など |
実際の条件は、施設や契約によって異なります。
出荷前に、販売規約や契約内容を必ず確認してください。
委託販売とは
委託販売は、生産者がお店に農産物を預け、お店が代わりに販売する方法です。
商品が売れた場合、その売上から販売手数料などが差し引かれ、生産者へ代金が支払われます。
直売所や道の駅では、委託販売が採用されているケースが多く見られます。
委託販売のメリット
委託販売には、次のようなメリットがあります。
- 少量から出荷しやすい
- 施設のルール内で、生産者が価格を決められる場合が多い
- お客さまの反応を見ながら、価格や内容量を調整できる
- 商品の見せ方やPOPを工夫しやすい
自分で接客や会計をしなくても、お店を通じて商品を販売できる点も大きな特徴です。
委託販売で注意したいこと
委託販売では、商品を出荷しただけでは売上になりません。
売れ残った場合は、生産者が回収。
もしくは、値引きや廃棄の判断をしたりするケースがあります。
また、売れた商品についても、販売手数料や資材費などが差し引かれます。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 販売手数料
- 売れ残りの回収方法
- 値引きを行う場合のルール
- 袋やラベルなどの資材費
- 売上金の支払時期
- 傷みや品質不良があった場合の対応
販売手数料を差し引いた手取りの考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
買取販売とは
買取販売は、お店が生産者から農産物を仕入れて販売する方法です。
価格や数量、品質、納品方法などを事前に決定。
契約や検品などの条件に基づいて代金が支払われます。
商品が売れたかどうかにかかわらず、生産者側は売上の見通しを立てやすくなります。
買取販売のメリット
買取販売には、次のようなメリットがあります。
- 販売数量と買取価格が決まれば、収入の見通しを立てやすい
- 店頭での売れ残りを回収する負担が少ない
- 継続的な取引につながる可能性がある
- まとまった数量を出荷できる場合がある
安定した数量を生産できる農家さんにとっては、計画を立てやすい販売方法です。
買取販売で注意したいこと
買取販売だからといって、必ずしも委託販売より有利になるとは限りません。
お店側も販売や売れ残りのリスクを負うため、店頭価格より低い買取価格になるのが一般的です。
また、次のような条件を求められる場合があります。
- 一定の数量を安定して納品できること
- サイズや品質が基準を満たしていること
- 決められた日時に納品できること
- お店が指定する袋や表示に対応すること
- 欠品や品質不良があった場合に対応できること
返品や傷み、欠品などの扱いは契約によって異なります。
「買い取ってもらえるから安心」と考えるだけでなく、取引条件全体を確認することが大切です。
私が働いていた産直店では、両方を取り入れていました
私が働いていた大阪の産直店を例にしますね。
委託販売と買取販売の両方を取り入れていました。
委託販売の商品は、農協などを通じて入荷していました。
一方、次のような農産物については、生産者へ直接相談。
買い取らせていただくこともありました。
- 珍しい品種で、ほかのお店との差別化につながる
- 味や品質に強みがある
- お客さまからの需要が見込める
- 必要な数量を安定して出荷してもらえる
- 生産者と継続的に相談しながら販売できる
お店側が買い取りたいと考えるのは、単に安く仕入れられる商品ではありません。
「この商品を、自分たちのお店で販売したい」
そう思える特徴や信頼関係も、取引を考えるうえで大切な要素になります。
委託販売と買取販売、どちらを選べばよい?
どちらが優れているかではありません。
農産物の特徴や生産量、販売先との関係によって選ぶことが大切です。
委託販売が向いているケース
- まずは少量から販売したい
- 自分で価格を考えたい
- お客さまの反応を確かめながら改善したい
- 複数の品目を少しずつ出荷したい
買取販売が向いているケース
- 一定の数量を安定して出荷できる
- 収入の見通しを立てたい
- 継続的な取引を希望している
- お店が求める品質や納品条件に対応できる
まず委託販売で販売実績をつくる。
売れ行きや品質への信頼が積み重なった結果、買取販売の相談につながる場合もあります。
まずは現在の販売方法の中で、お客さまに選ばれる商品づくりを続けていくことが重要だと考えます。
出荷前に確認したいこと
委託販売でも買取販売でも、次の点を事前に確認しておきましょう。
- 販売手数料または買取価格
- 価格を決める人
- 売上金の支払時期
- 売れ残りや返品の扱い
- 値引きの判断と負担
- 納品する数量と時間
- 品質やサイズの基準
- 袋詰めや食品表示のルール
口頭だけで判断せず、販売規約や契約書なども確認しておくと安心です。
「完全委託販売」とは?
「完全委託販売」という言葉は、事業者によって異なる意味で使われる場合があります。
法律上の統一された販売方式として判断するのではなく、
- 販売だけを委託するのか
- 在庫管理や値引きも任せるのか
- 売れ残りや返品を誰が負担するのか
- どの費用を生産者が支払うのか
といった契約内容を確認することが大切です。
名称だけで判断せず、どこまでを誰が担当するのかを確認しましょう。
まとめ
委託販売は、お店に商品を預け、売れた分の代金を受け取る方法です。
買取販売は、お店が商品を仕入れ、決められた条件に基づいて生産者へ代金を支払う方法です。
それぞれ、売上が決まるタイミングや価格、売れ残りの扱いが異なります。
まずは販売先の規約や契約条件を確認。
自分の生産量や商品の特徴に合った販売方法を選びましょう。
そして、どちらの販売方法であっても、選ばれるためには商品の品質だけでなく、こだわりやおいしさが伝わる見せ方も大切です。
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商品の特徴やこだわりを整理。
袋詰め、ラベル、POP、売り場での見せ方を通じて、「選ばれる理由」が伝わる販売方法を具体的にお伝えします。














委託販売と完全委託販売との違いは❔
ご質問ありがとうございます。
完全委託販売という言葉を初めて聞きましたね。
ネットで調べてみる限り、見つかりませんでした。