【道の駅・ 直売所セミナー 】取り組み事例をご紹介
直売所や道の駅関係者の方々を対象に講演会をさせていただきました。高知県農業振興部 農産物マーケティング戦略課さんの主催です。
タイトルはその名も、『野菜をただ売るだけでは、もうお客は来ない!客足の絶えない直販所に変わる3つの極意』
まぁ、かなりの上から目線のタイトルをつけさせていただきました^^;
どのお店(競合店)にも野菜は売られている
自身が30歳のころ、大阪の産直店で働いていた時に実感した事実でもあります。野菜って、どのお店でも売られています。
私が働いていた産直店の近隣には、某大手H百貨店に始まり、全国にチェーン展開される高品質スーパー、ディスカウントスーパー。さらには、当時ウォルマートに次ぐ世界第二位の小売業であった、フランスから進出したカルフールも存在していました。
販売する商品の種類や鮮度のちがいこそあれ、野菜はこれら小売店すべてで売られていました。おそらく、あなたのご近所のスーパーさんでも販売されているはず。
言ってみれば、野菜は競合となるお店でほぼ全てで売られています。お客さまにすれば、それらどこのお店で購入しても構わない。購入できる選択があるわけです。
野菜をただ売るだけではお客さまは来ない
お店によって、販売されている野菜の種類や見た目、鮮度に多少の違いはあります。しかし、大半は見た目的にさほどのちがいはない。
品揃えを強みとして特化したお店でない限り、販売する野菜の品質のちがいで他店との差別化を図るのは、正直難しいのではないでしょうか。
目の肥えたお客さまであれば、
「あのA店は、野菜の鮮度がいい」
「B店の野菜は、買ってからしばらくしてもピンピンしている」
といった判断基準を持たれるのかもしれません。しかし、こういった方々は、顧客の何割かの方に限られるのではないでしょうか。
一般的なお客さまの多くが、買う…買わない…を選定している基準はなにか?
おそらく多くの方が価格だと思います。
野菜を選ぶ基準は、「見た目」、「量」、そして「価格」
これらが商品を買う、買わないを決める選択肢の大きな要因ではないでしょうか。
そして、さらにお客さまは、より多くの種類の野菜が売り場に並ぶ、お店を選びます。分かりやすく言えば、品揃えの豊富なお店ですね。
より多くのお野菜が売り場にある中から買うモノを選びたい。当然、理解できますよね。
しかし、ここで野菜を販売する販売者側に課題が浮き上がります。あなたのお店がある程度
規模のある、大きな店舗でしたら問題ありません。規模の大きいとは、
- 規模の大きい直売所・産直店=「出荷者が多い」お店
登録される出荷者さんが多ければ、お野菜も豊富に集まりやすい。あなたのお店が、農産物を出荷してくれる生産者さんの問題で困っていなければ、オーライ。問題ありません。
直売所が抱える、出荷者問題
しかし、私が把握する限り、ご縁をいただく直売所や道の駅さんでは、出荷者さん問題を抱えるケースが多いです。
- 生産者の高齢化⇒出荷者の減少
- 量販店(スーパー)への出荷⇒出荷者の減少
商品である野菜は、直売所の生命線。野菜(農産物)が集まらなければ、お店の魅力は生まれにくい。イコール、お客さまは集まりにくくなる。品揃えが豊富な直売所で買い物をしたい。これがお客さま心理ですので…。
一方、生産者もシビアです。「売れにくい」お店より、「売れる」お店で商品を売りたい.。当然の心理です。お客さまの集まる、規模の大きな直売所や道の駅、スーパーに生産者も出荷しだします。
しかし、今さら商品である農産物を集めようにも、そう簡単じゃありませんよね。前述のとおり、多くの地域では、野菜を出荷してくだっさる生産者さんは高齢化傾向。年々、生産者は減少。それにともない、出荷野菜も減っている。これが現状じゃないでしょうか。
今、必要なのは商品「プラスアルファ」の魅力
お客さまを集めるために、品揃えは大切です。しかし、年々、その品揃えが厳しくなっている。どこの直売所も野菜を出荷してくれる生産者さん集めに奔走されている。
いわば、以前に増して、より生産者さんを確保するのが難しくなっているのではないでしょうか。このような理由から、商品である野菜だけに頼った店舗づくりでは、お客さまを集めるのがきつい。
商品に頼った集客ではいずれ、お客さま離れが起こります。
直売所において、商品以外の魅力や価値ををいかにつくれるか?ここが産直店の運営において、肝になっていると感じています。
では、どのようにして、商品だけに頼らない直売所経営をするのか?
高知県庁さん主催の講演では、「客足の絶えない直売所に変わる3つの極意」というテーマでその突破法を提案させていただきました。
客足の絶えない直売所に変わる、3つの仕掛け
直売所セミナー の内容
シンプルにお伝えすると、提案するのは、3つの仕掛けです。
1:売る仕掛け
2:再来店してもらう仕掛け
3:知ってもらう仕掛け
です。
これら3つの仕掛けをひとつずつご紹介したいところですが、そうなると、収拾がつきません。おそらく3時間かかっても、語りつくせません(苦笑)
そこで、講演のなかでご紹介したスライド資料の一部を添付しておきます。
道の駅・ 直売所セミナー に参加された方々はどう感じたか?
参加いただいた直売所、道の駅関係者の方からは、終了後このような意見をいただきました。
道の駅・ 直売所セミナー ご感想
「多くのお店が顧客視点でなく生産者都合…」
- お店の売上が落ちてきているので、今回の講習会で教えてもらったことを行動に移していきたいと思いました。
- お店の他の従業員にも伝え、売上が上がるよう努力したいと思います。
- 大感謝祭など、2~3ヶ月に1度祭りをするなど良いと思いました。
- 「売る仕掛け」での話では、分かりやすくて参考になったので、是非実践していこうと思いました。
- 3つの極意が参考になりました。
- 「売る仕掛け」は現在やっていることでしたので、納得したことでした。ただ、演出をもう少し頑張らないとと思いました。
- 直販所さんと直接つながっているという最大の強みを生かして、今日おならいしたことを1つでも取り組んでいきたいと思います。
- 生産者さんの顔が見える形の大切さが分かった。
- 直販所の今後の運営について、店舗の意志を示していく等参考になりました。売場レイアウトを見直し、1等地を活用してみようと考えました。
- 売る仕掛け、再来店してもらう仕掛け、イベント企画等とても参考になりました。
- 監督になって商品を演出するというのが大変わかりやすく心に残った。パワーポイントの印刷物が欲しかった。臼井さんの講義はいつも楽しいと思う。
- 身近な事例で話をしていただき、考えやすかったです。
- 初めての講習会参加でしたが、わかりやすくて再確認することが多く、とても良かったです。ありがとうございました。
- メインステージ(売れ筋場)を活用する参考が聞けました。
- 計画的にメインを決めることを実践していきたい。
- 説明が身近に感じ、少しのことからでも挑戦していきたいと思いました。
- すぐに出来るアイデアが聞くことができました。成功事例の写真があってわかりやすかった。
- やってそうでやってない、取り組みやすい内容もあったりで、大変参考になりました。
- 多くの直販所が顧客視点ではなく生産者都合で棚作りがされているなと改めて感じた。(生産者もいい棚を確保するため努力しているので仕方ない面はあるので変えるのには難しさもあると感じる)講習内容は当たり前のことであるが、その当たり前(基本)がなかなか出来ていない現実があると思いました。
- 分かりやすく直販の活性化に向けてよいきっかけづくりになりました。今回の研修のことを活かし、直販の発展を目指していきたいと思っています。生産者とのつながりを大事に、又、目に留まる所へいろいろ貼布し、パイプを強めていきたいと思います。
- 具体的で分かりやすい内容と重すぎない雰囲気で参加して良かったです。
まとめ
農産物をあつかう、多くの直売所や道の駅では、生産者不足に直面しています。生産者の高齢化により、出荷してくださる方々が減少。
さらには、スーパーなど量販店に「産直コーナー」の売り場が常設。お客さまがより集まるスーパーへ、生産者さんも出荷する傾向が顕著に。結果、益々、地域の直売所や道の駅では、農産物が集まりにくい状況になっています。
その打開策として、お店側が注力したいこと。それは、商品だけに頼らない直売所運営を意識されること。具体的な提案策としては、「売る」「再来店してもらう」「知ってもらう仕掛け」この3つ。
これらは、私(臼井)が直売所や道の駅さんとご縁をいただくなか、成果が出た方法であり、お客さまが集まる「繁盛する直売所」さんがおこなっている共通の仕掛けです。
ブログというあ紙面の都合上、伝えられる内容に限りがあり、大変恐縮です。あなたの行動につながる、何かの刺激になれば幸いです。
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