【ご質問】産直店の販売スペースが取り合いになっている問題について

産直店の運営者さんからご質問をいただきました。
販売者である「店舗運営側」と商品を出荷する「生産者側」。双方の意見の相違から生まれる、課題の一つだと思います。

ご縁をいただく直売所や道の駅さんでもよくお聞きする、お悩みの一つですので、参考になればと思い、共有いたしますね。

産直の組合員数●●名で構成され、出資金は一律●●万円ですが、販売額で年間数万円から1千万円を超える方もいます。その中でいつも問題になるのが各個人の出荷スペースです。
基本は一個人コンテナ2個分となってますが、野菜や果物等の最盛期には多量に生産されてる方が場所を独占し、少量の生産者はあきらめて出荷しなくなってしまいます。どのような解決策が望ましいのかアドバイスをお願いします。

※情報保護のため数字は●にいたしました

いただいた産直店のなやみ

お話を読ませていただくと…

  1. 出荷生産者により販売額に大きな差
    ⇒年間数万円から1千万円超え
  2. 販売スペースは一人2コンテナ分
  3. 最盛期に場所の取り合いが起きている
    ⇒大量出荷の方が独占し、少量の生産者の販売スペースがない

このようなポイントになってきます。

上記3の課題に対して、「どのような解決策があるのか?」というご質問です。

結論から言うと…

すべての生産者が出荷(販売)できる形にした方がいいと考えます。

「一人2コンテナ」のルールがありつつも、1コンテナ分しか出荷量のない生産者もいる。
一方で、3コンテナ以上の商品を出荷したい生産者もいる。

であれば、空いているコンテナは使ってもいい。
あるいは、お店サイドで(2コンテナを超える)在庫分をあずかり、売れ行きにより補充する。※手間はかかりますが売るための工夫も必要です

なにより気を付けたいのは、ルールにしばられて、売場がガラガラになることです。

お客さまが一番買い物をしやすい。
「お店に来てよかった」と思える売場づくりを臨機応変に考えることが最優先事項だと感じます。

産直店、2タイプの売場

…ちなみに産直店(農産物直売所)、道の駅などにおいての売場問題について。

支援に伺う店舗でたびたび感じるのが、売場の主導権を誰が持っているのか?

  1. 生産者
  2. 店舗側

ここが店舗により大きく違います。

生産者主導の売場

  1. 朝、お店に商品を持ってくる。
  2. 売場に生産者が野菜や果物を並べる。
  3. お店がオープン。
  4. 基本、生産者が並べたまま。
  5. ときどきお店スタッフさんが売場を整理。

ざっとこんな感じです。

店舗主導の売場

1から3までは、「生産者主導」と同じです。

  1. 朝、お店に商品を持ってくる。
  2. 売場に生産者が野菜や果物を並べる。
  3. お店がオープン。
  4. お店スタッフさんが、カテゴリーや商品ごとに売場を並べ直す
  5. 商品の売れ具合に応じて、臨機応変に店員さんが並べ替える。

生産者主導の売場との大きな違いは、4の部分です。

生産者からクレームが…

それぞれの売場には、メリットデメリットがあります。

細かく話すと長くなるので簡単にお伝えすると、例えば、生産者主導の売場は、生産者が売りたい陳列場所を確保できること。
お店によって売れる売場、売れにくい場所は存在します。

稼ぐ生産者さんは、それらを把握しており、真っ先に確保するわけです。

そしてお店スタッフさんが商品の売れ具合に応じて、売場を整理すると、極端なケースだと生産者さんからクレームが入ったりします。

「俺の野菜の場所を勝手に動かすな」みたいな。
あとは、販売場所が変わっていると、「夕方、商品を回収に来た時に見つけられない」みたいなことを言って怒る生産者さんもいるそうです。

売れる売場は…

店舗出身者として言えるのは、「売場は現場の人間が一番知っている」ということです。

売場で最も売れる一等地の商品が減ってきたら、他の場所から商品を動かして補充する。
その方が、商品も売れるし、お店のイメージも良くなります。

例えば、入店して目の前の一等地の売場に商品がまばら。
ガラガラの売場をみたお客さまは、どう感じるか?
「また来たい」と思うか?

生産者さんのお気持ちもわかりますが、売場については現場スタッフに任せるのが、「売る」観点からも最善だと考えます。

まとめ

今回いただいたご質問に対しての臼井の回答は…

  1. 買い物に来られたお客さまを最優先に考える
    ⇒どのような売場になっているのが一番喜ばれるのか?(出荷者やお店都合ではなく)
  2. 売場に商品がいっぱい並んでいることが、お客さまにとって買い物の楽しみを得られる状態
    ⇒一人2コンテナのルールの上で、「どうすれば売場が商品で埋まるのか?」
    出荷量の少ない生産者のコンテナを多い人が使えるようにする…など臨機応変の工夫
  3. 現場のことは現場スタッフが熟知している
    ⇒「売る」という目的のもと、ある程度は現場に任せる仕組みをつくる

このような感じです。

ルールを守ることで、売れない結果になっているのが一番もったいないです。
売るためには、何が最善なのか?この視点で考えたいですね。

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