今回のテーマは、
『農産物の出荷は1回だけで良いのか?』です。
ある意味、手間と売上を天秤にかける部分でもあると思います。
農家さんにしてみれば、出来れば農産物をお店に持って行くのは1回で済ませたい。
「朝一に1回持って行って、あとは他の作業に時間を費やしたい」
そんな思いもお持ちだと思います。
ただ一方で売上の面から見ていくと、1回だけよりこまめに出荷したほう伸びる。
これも感じられている部分だと思います。
そこで今日は、農産物を1回じゃなく複数回出荷する、
その隠れたメリットについて考えていきたいと思います。
直売所の現状
ご存知のように、今の直売所はデジタル化が進んでいます。
「農産物の売上経過が、1日に3回(朝、昼、夕方)とメールで届く」。
このようなお話をお聞きになったこともあると思います。
お店側としても、売上を上げるために色んな手段を画策していますよね。
メールで売上情報を生産者に届ける狙いは、お店の売り場の空洞化を防ぐ為、といえます。
要は、売り場が空っぽにならないため。
そのために、現状の売上を生産者さんにお知らせして、出来ればお野菜を複数回出荷して欲しい。
そのような思いがあるわけです。
ただこれは、お店側から見た意見であって、冒頭でもお伝えしたように農家さんからすれば、費やす時間を考えると納品は1回で済ませたいもの。
できれば、他の時間は農作業などに費やしたい。
というのが本音だと思います。
とはいえ、折角ここで話をさせてもらうからには、当たり前の事を言っても面白くありません。
読んでもらえませんよね。
そこで今回は、農産物を1回だけじゃなく、複数回お店に持って行く、
という前提でお話をさせて頂きます。
直売所や道の駅に農産物を複数回持って行くメリットは、一体どのような事があるのか?
その隠れた、意外と気づかれていない利点を見ていきます。
農産物を何度も直売所に持って行く、3つのメリット
お店に何度も通う、ということはその分、手間と時間を費やします。
その労力を費やすメリットが、どれほどなのか?
みていきます。
メリット1:売上アップ
ここは今さら語らなくても、ご理解されている部分だと思います。
農産物を直売所に1回持って行くだけじゃなく、2回、3回と持って行くことで得るメリット、
その最も分かりやすいのが、売上の向上です。
朝一に1度持って行くだけだと、例えば午後から農産物が売り切れの状態になっている。
売上が稼げない、ということは大いに考えられますよね。
先日お話ししたように、直売所のお客さまのピーク時間帯は、ほぼ午前中に集中しています。
ですので、大方の商品は午前中に売り切れ状態になることが多いです。
ですので、本来なら午後にもお野菜があれば、売れていた可能性がある。
売上を稼げたかもしれない。
そのチャンスをみすみす逃してしまう…という結果を招きます。
とはいえ、畑の作業など他にもやらなければいけない事は多いと思います。
ある意味、
「売上と作業効率、どっちをとるか?」
とも言える部分です。
メリット2:お店との関係性
ここは意外と知られておらず、語られている事も少ないです。
現場に立たせてもらっていた人間だからこそ言える部分じゃないか、と思います。
朝一にお野菜を1回だけ出荷される。
のではなく、こまめに直売所に農産物を納品されていると、お店との関係性が変わります。
「●●さんは、朝1回だけじゃなくお昼からも納品して下さっている」
「こまめに気を遣ってくださる方だ」
「お店の事を考えて下さっている」
こんな印象をお店の従業員さんが抱きます。
すると、どうなるか?
お店の従業員さんからの信頼度が高まるのです。
一体それって、どういう事か?
事例をご紹介しながらお話しします。
これは、実際にあった話です。
私が働いていた大阪の産直店でのことです。
料理教室を開催されている、ある常連のお客さま。
その教室で使いたいお野菜のリクエストがお店側に入りました。
「今度料理教室でお野菜を使いたいので、これらの材料(野菜)を確保してもらえますか?」
と依頼が入ったのです。
そこで、お店側としても常連さんの期待を裏切るわけにはいかない。
何とかして野菜を確保しようと考えました。
その時に私がやっていたのは、生産者さんに直接お願いをすることでした。
「今度10月10日に山芋が6キロ欲しいので、それに合わせて送ってもらえませんか?」
といった注文を生産者に電話してお願いしていました。
そしてこの時ポイントとなるのが、
「どの生産者さんにお願いをするか?」
この選択の基準になるのが、先ほどお伝えしたお店側と生産者さんとの関係性になります。
普段からこまめにお野菜を納品して下さっている方がいれば、恐らく、その方に白羽の矢を立てると思います。
「●●さんなら、きちっと山芋を納品して下さるだろう」
算段が立つわけです。
言ってみれば、お店側から直接依頼を頂ける。
たくさんいる生産者さんの中から、
「●●さんなら、大丈夫」
信頼を抱いてもらった上で、依頼を頂ける。
その御蔭で、お店で売る売上にプラスして、販売量を増やせるわけです。
こういった積み重ねって、結構大きいです。
メリット3:ファン拡大
売上がアップするのは勿論のこと、そこから派生する副次効果もあります。
お店にお野菜を納品する機会が増えれば、その分お客さまと接触する機会も増えます。
これが何を意味するか?
というと…あなたのファン拡大に繋がります。
お客さまというのは、ある意味単純な部分もあって。
実際に、
- お会いした方
- お話しした方
に対して、思い入れを抱きます。
親しみを感じるのですね。
ですので、直売所にたくさんの生産者さんのお野菜が並んでいる中から、あなたの商品を選んで買ってくれる。
そのような有り難い方が現れます。
言ってみれば、あなたのファンが生まれるのです。
そのキッカケが、お店の売り場で直接あなたとお話しすること。
こんな事だったりするのです。
そのファンを増やすチャンスを増やすためにも、直売所へ訪問する機会を増やす。
お野菜の納品回数を増やす。
1つの方法でもあるのです。
『農産物の出荷は1回だけで良いのか?』
ある意味、手間を時間を費やす行為でもあります。
ですので、100%お勧めもできません。
ただ、今日お話ししたように、あくまで理想論かもしれませんが、メリットがあるのも事実です。
色んな要素から考慮されて、可能であれば複数回納品をする。
出荷したお野菜が売り切れるのであれば、考えてみても良い1つの選択肢なのかもしれませんね。
初めまして。イオンの産直販売所 専門で販売している農家です。当初はPOPや販売体制も良い 各野菜の栽培拘りやレシピー等POP表示出来たのですが、最近禁止になりました。100店を超える店舗に数人の野菜ソムリエがいるらしいのですが、今までお会いした事も無く お客様からの問にも対応出来ていない状況です。販売体制ですが 先月まで、各農家毎の陳列スペースでしたが 今では種類毎の陳烈になり 私共のファンのお客様から 〇〇さんの野菜が何処に有るか解らないと指摘されました。これに対処する為に仕切り版を利用しましたが、仕切り版の利用禁止 (店舗を遠隔監視)しているのか すぐに販売元へ 本社より 仕切り版を使わせるなとお叱りの一報が・・・ 販売元の本社からの指示で販売店舗もお手あげ状態。一番の悲痛は農家さんが 朝の納品時間に一度に納品されると野菜の販売台が確保出来ない為 11時00~13時00に納品お願いしたいとの事。売れ残りは店舗のパートさんが値下げして 少しでも廃棄が出ない様にしますとの事。これで売り上げが約40%下がり。(POP禁止)(陳列の変更)(ファンの客離れ)かなり厳しい状態。
(店舗の販売手数料は25% ラベル代金別 事務?毎月880円の何かの手数料)
店舗の本社に確認した訳では有りませんが、popのセンスが無い農家のおじさんや 商品の袋詰めが適当で、奇麗に商品化出来ない農家さん達が 自分達の野菜が売れないのは 自分達の商品のせいではなく (売り上げが多い農家を販売所がひいきしている)から等を、 店舗に言うのでは無く 直接本社に苦情電話をしている様です。
過去にもPOPが邪魔で商品が陳烈出来ない等の苦情を本社にクレーム→POP最小化に・・・
農家を始める前にある農家さんから
農業は他人への僻みが多い職業だとは聞いていますが、
これ程だとわビックリしています。
時代は 八百屋さんからスーパー、デパートと
八百屋さんが悪い訳では有りませんが 裸野菜から鮮度保持袋
(見た目、味、鮮度)大量生産格安販売より 拘りぬいた商品が産直販売の良さではないでしょうか?
私の野菜は 販売所でも高値で販売してますが 破格値野菜と同等の販売数で売れている様子です。
中島さま、お返事が遅くなり申し訳ございません。臼井です。
販売現場との環境や条件合わせは、なかなか難しい部分ですね。相手先さんの売場を利用させて頂いている以上、先方の条件には従わざるを得ない部分もありますしね。こちらの意見は伝えつつも、「うちのやり方に従えなければ、他のところで売ってくれ」と言われても、なんとも言い返せない部分もありますよね。
あと、ひがみ、妬みは、農業の世界だけでなく、どこの業界でも共通ですね^^;