お客さまは何を買っているのか?
今回の質疑応答は、正直、私自身も考えさせられる時間になりました。
福井県南越前町にある道の駅南えちぜん山海里に出荷されている
生産者さま向けに研修を行いました。
テーマは、
「ちょっとした魅せ方で、売れ方はぐんと良くなる!
~お客さまに”伝わる” 3つの工夫~」
まず最初にお伝えしたのが、この一言です。
情報が価値を決める

同じ野菜でも、
- 何も書いていない袋
- ひとこと想いが書いてある袋
どちらが手に取られるでしょうか。
売れないとき、悔しいのは当然
ある生産者さんが、こんな質問をしてくださいました。
POPも書いている。
工夫もしている。
でも結果につながらないことがある。
正直、お客さまに対して「なんでなんだ」と悔しくなる。
モチベーションをどう保てばいいのでしょうか?
この言葉には、本気で取り組んでいるからこその葛藤がありました。
まずお伝えしたのは——
その悔しさは、間違っていないということ。
悔しいのは、本気だから。
悔しいから、考える。
考えるから、次の一手が生まれる。
もし何も感じなければ、改善も生まれません。
小さな変化に、どれだけ気づけるか
うまくいかないときほど、「売れなかった」で終わらせないこと。
たとえば、
- 今日はいつもより2パック多く売れた
- 午前中で動きが止まった
- 4個入りにしたら動きが変わった
こうした小さな変化に目を向ける。
そして考える。
- なぜ?
- 袋の数?
- 並べ方?
- タグの言葉?
仮説を立てる。
少し試してみる。
しばらく様子を見る。
違えば、また変える。
完璧な正解を探すのではなく、小さく試し、小さく修正する。その繰り返しです。
これは特別なノウハウではありません。
日々の観察と検証の積み重ねです。
価格競争をしないという選択
もうお一人の生産者さんのお話も印象的でした。
以前働いていた会社で言われた言葉。
価格競争はしない。
他がやらないことをやる。
- 人が出さない野菜
- 人が出さない時期
- 少量パック
- オリジナル性
まさに、今回のテーマそのものです。
研修では、値下げ合戦が起きることで、
- 正当な価格で出したい若手が売れなくなる
- 出荷をやめてしまう
- 結果的に売り場の魅力が下がる
という現実も共有しました。
安くすることは、短期的には動くかもしれない。
でも、長期的には苦しくなる。
だからこそ、袋詰め・タグ・伝え方で“価値”を見せる。
これが、値下げ以外の選ばれる理由になります。
お客さまは、情報を味わっている
研修後、主催者の方がこんな話をしてくださいました。
「ある漫画にこんな言葉があるんです。
“お客さまはラーメンを食べに来ているだけでなく、情報を味わいに来ている”と。」
その言葉を聞いたとき、思わずうなずきました。
野菜も、まったく同じです。
味だけでなく、背景や想いまで含めて「体験」しているのだと思います。
お客さまは、
ただ野菜を買いに来ているのではありません。
- どんな人が
- どんな想いで
- どんな工夫をして
育てたのか。
その情報を味わっています。
売り場改善は、テクニックではなく姿勢
今回あらためて感じたのは、
売り場はテクニックだけでは変わらないということ。
悔しさを受け入れる。
小さな変化に気づく。
仮説を立てて試す。
この姿勢がある限り、売り場は必ず良くなります。
袋詰め。
タグ。
伝え方。
これらは手段です。
本質は、自分の商品に、どんな情報を乗せるか。
今回の研修は、
そんな原点に立ち返る時間でした。
安売りではなく、情報で選ばれる売り場へ。















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