売行きを一変させる、売れる野菜パッケージの工夫とは?

野菜のパッケージについて
ご相談を頂く事が多いです。

パッケージは、野菜の売行きを左右する
強力なポイントの1つです。

パッケージ次第で売れ行きは一変します。

みすみす販売ロスが…

生産者さんが野菜を直売される場合、
時間や手間が無い…

結果野菜をOPPのビニール袋に入れた
そのままの状態で販売。

結構あるケースだと思います。

特に変わった工夫を付けずに
売場で販売するパターンです。

「畑作業が忙しくて時間と手間をとれない…」

凄く理解します。

ただ、これだと機会損失です。

販売量をもっと伸ばせるチャンスを
みすみす逃していると言っても、
過言じゃないと思います。

売れる農家さんはパッケージも違います

他の農家さんとは違った工夫を
行っています。

時間と手間はかかるかもしれませんが
きちっと売れる工夫を施されています。

例えば、あなたがスーパーへ
買い物を行ったときに、

商品をただ売場に並べただけで
POPなんて1枚も付いていないお店。

一方、売場中の商品一つひとつに
担当者のひと言コメントが書かれた
POPが付いているお店。

どちらに好感を抱きますか?

どちらのお店に商品に対しての
こだわりを感じますか?

仮に商品の価格や家からの近さも
同じだとしたら、どちらのお店で
買い物をしたいと思いますか?

すごく極端な例ですが、
同じ価格や条件だとしたら、
恐らく後者のスーパーで買い物をしたい。

そう思うのではないでしょうか?

野菜を選ぶ顧客心理

野菜も同じです。

パッケージににこだわっている
野菜を見つけると、お客さまはこう思うので
す。

「丁寧に袋詰めされているな」

「丁寧に栽培されているんだろうな」

「この人の野菜なら美味しいかも」

という風に感じる人が多いのも事実です。

パッケージにこだわっている事が
野菜栽培へも好印象を与え
さらに言えば、

購入理由にもなり得る

という事です。

実際、私が30歳の頃に働いていた
大阪の産直店がそうでした。

売上トップ10を占める生産者さんの
ほぼ9割以上の方がパッケージに
何かしら工夫をされていました。

他の生産者さんとは違うパッケージでした。

売れるパッケージとは?

では、具体的にどんなパッケージにすれば
野菜は今より売れるのか?

その方法論についてお伝えします。

まずパッケージを考えるときに
意識して頂きたい事があります。

それは、売り先です。

「あなたの野菜や果物は
どこで販売されていますか?」

道の駅ですか?
直売所ですか?
地元スーパーですか?

都心部ですか?
地方ですか?

実は、この売り先(販売場所)がポイント
になります。

売り先によって、売れるパッケージが
違ってくるのです。

「これなら売れるはず…」

実際に大阪の産直店で体験した事例です。

お野菜のほぼ大半は高知県の生産者さんから
送ってもらっていました。

ある日、生産者さんのお一人から
ミニトマトが届きました。

透明のキューブ状のパックに入って
送られてきました。

「○○農園」

とパッケージにも書かれており
洗練されたイメージを感じました。

たしか価格は、150円だったか200円で
それほど高くもなかった。

「これなら売れるだろうな…」

そんな感触を抱きながら
売場に商品を並べていました。

そして時間が経過。

10時の開店から約4時間が経ち、
1番の販売ピークである
正午も過ぎました。

昼休みから帰って来た私は
売場の整理をしようと
ミニトマトの売場へ戻って来たんです。

「どれくらい減っているかな…?」

そう思って商品を陳列していた
コンテナをみると。

なんと、

朝8時の商品入荷時に並べた
トマトパックがそっくりそのまま
売場に残っていたのです。

「えっ?」

目を疑いました。

90パック位あったミニトマトのパックを
2つのコンテナに分けて並べていたのですが
そのうちの

4~5パックが減っただけ…
の状態で売場に残っていたのです。

正直これには驚きました

あんなに綺麗なパッケ―ジだし、
売値も高くなかった。

売れるポイントでも

「○○農園」

といった記載もパッケージに書かれていた。

しかし売れ残った。

「何でやろう…?」

すぐには答えが見つかりませんでした。

ずーっとずーっとその疑問を解決しようと
考えていた結果、
ようやく1つの答えにたどり着きました。

あんなに洗練されたパッケージのミニトマト

なぜ売れ残ったのか?

答えは、

『違和感』

です。

仇となった理由

私が働いていた産直店は
高知県の生産者さんがこだって栽培した
野菜を買う事ができる。

という位置付けのもと、
大阪の千里中央という都心部に
存在していました。

お客さまは私たちのお店に
新鮮、美味しい、安心安全の野菜を
求められていた一方、

『懐かしさ』
『田舎臭さ』

といった要素も魅力に感じられていました。

都心部では普段味わえない要素を
高知県の農家さんの野菜に
求められていたのです。

そこで今回の主役である
ミニトマトに話を戻します。

このミニトマトは確かに
パッケージが洗練されていた。

従来の農家さんなら
OPPのビニール袋にミニトマトを積めて
パッキングしていたところを
キューブ状の透明のパック詰めをされていた。

実はこれが仇となったのです。

あまりにも綺麗にパッキングされ
過ぎていた為そこにお客さまの求める

  • 懐かしさ
  • 田舎臭さ

を感じなかったのだと思います。

逆に言えば、近所のスーパーでも買える
そんなトマトに映ってしまったのかもしれません。

今回の話からの学び

それは、ただ洗練されたパッケージにすれば
商品が売れる、
という訳では無いという事です。

「お客さまがあなたのお野菜に求める
要素(価値)は何なのか?」

をまず理解する。

そして、さらに言えば、
あなたがお野菜を販売されるお店に

「お客さまは何を求めて来店されているのか?」

アンテナを立ててみる事です。

極端にいえば、都心部で出店する
マルシェに来るお客さまは、

・お洒落さ
・オーガニック

などの要素を求めているのかもしれません。

しかし地域の道の駅や直売所では
どうでしょう?

ちょっと違う気がしませんか?

「どんなお客さまに販売するか?」

によっても答えは違ってきますが
まずはお店に来るお客さまは
どんな要素(価値)を求めているのか?

を意識してみる事です。

私が働いていた大阪の産直店のように
懐かしさや田舎臭さを味わいに
来店されるのであれば、パッケージにも
活かす必要があります。

都心部のスーパーで売られているような
パッケージでは恐らく売れないと思います。

手作り感であったり、
ちょっとした素朴さを感じるパッケージが
選ばれやすいのかもしれません。

ある意味、パッケージは

野菜販売における魔法のツール

と言えます。

同じ野菜を販売しても、
パッケージ次第で売れ行きは一変します。

パッケージを改善する事で
価格を2割3割高くしても販売可能なの
です。

ただ1つ注意点は、
何でもかんでもお洒落にしたら売れる、
というわけではない。

お客さまの求める要素や価値にあった
パッケージにする事が必要不可欠です。

手間や時間がかかったとしても
価格で吸収できるメリットが
パッケージの工夫には潜在すると思います。

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