前回、直売所や道の駅で農産物を販売する場合、ちょっとした工夫で売れ行きは一変する。
その1つの方法として、袋詰めを挙げました。
今回も引き続き、テーマは、『売れる野菜の袋詰め』です。
袋詰めの仕方次第で、売れ行きが変わる。
これって、経費もかけずにできる販売促進策です。
言ってみれば、多少の手間はかかるけど、軍資金はかからない。
だから、新規就農者の方にとっては大きな売上UP策の1つになると思っています。
売れる野菜の袋詰め
前回その1.でお伝えしたのは、混色という袋詰めの方法でした。
色違いの野菜があるのなら、色を混ぜて一緒に袋詰めをする。
そうした方が売れやすいよ、という話でした。
そして今回も、軍資金をかけずに販売量を増やせる袋詰めの方法です。
これの良いところは、経費がかからないのが1番。
そして、準備するものも、ほぼ要りません。
必要なのは、農産物、野菜を入れる袋、そしてセロテープ。
この3つがあれば、実践できます。
非常に簡単です。
簡単過ぎて、
「臼井さん、そんなのやっても意味あるの?」
って軽く思われるかもしれません。
売れる野菜の袋詰め~基本編その2:形態の変化
直売所で野菜など農産物を販売する際の1番のネックが、
『均一化』
です。
売場にお野菜がたくさん並んでいますよね。
その時に、お客さまにすれば、「違い」が解りにくいのです。
野菜を選ぶとき、
- 量
- 見た目
- 大きさ
- 価格
大まかに言うと、これくらいの選択肢になっていると思います。
上記4つの目安を基準にして、お野菜を選んでいるわけです。
中でも、量と価格。
ここは、決定打となる選択基準です。
ほぼ見た目が同じなら、量が入っていて、価格が安いものをお客さまは選んでいると思います。
要は、割安な商品を選んでいる、ということですよね。
しかし、農家さん側からすれば、それってあまりよろしくない状況だと思うんです。
「ちょっとくらい価格が高くても選ばれる。
そんな商品づくりをしていきたい」
「価格勝負はしたくない」
そう思われていると思います。
そこで、今回の売れる袋詰めの実践です。
こんな袋詰めで差を付ける
例えば、あなたがオクラを栽培されているとします。
そして、オクラを直売所に出荷しようとする。
OPP袋にオクラを詰められますよね。
一定量を量り、袋詰めをする。
そして、その後、バックシーリングテープというので、
「ガチャ」
っと、袋の上を封すると思うんです。
これが一般的な袋詰めの方法だと思います。
ただ、これだと他の生産者さんと同じ袋詰めになってしまいます。
オクラを栽培される他の農家さんも同じようなやり方で、袋に入れているはずです。
これだと見た目的に、そんなに差がつきませんよね。
それこそ、
- 袋に入っている量
- オクラの大きさ、見た目
- 価格
の違いです。
言ってみれば、
価格勝負になる危険があります。
そこで、袋詰めの方法に少し手を加えるのです。
といっても、そんなに難しいことじゃありません。
バックシーリングテープの代わりに、セロテープをつかうのです。
写真でもあれば解りやすいのですが、ないので文章で説明します。
通常なら、野菜をいれた袋の上をバックシーリングテープで
「ガチャ」
と留めると思います。
そこを留めずに、袋の上部を折り曲げながら、セロテープで留めるのです。
(うーん、言葉だけで説明するのは難しい。。)
例えば、文房具屋さんなどでボールペンを買ったら、小さな四角の紙袋に入れてもらえますよね。
その時、上部を何回か折りたたんで、その後セロテープで留めると思うんです。
あのイメージです。
通常のオクラが売場に並んでいる姿は、巾着のような形です。
上部をバックシーリングテープで留められた状態。
一方、今日お伝えしている方法は、長方形の四角の荷姿になります。
オクラが横に並んで入っていて、袋の折り返しが後ろ側でセロテープで留められている、イメージです。
(今度、商品を買ってきて写真でも掲載しておきます)
要は、今日の売れる袋詰めのポイントは、
『他の農家さんと違う袋詰め(パッケージング)』
をする、という事です。
売場に並んだ姿で、他の商品との違いを出す。
そして、選んでもらうのです。
私の産直店での経験からいくと、今日のやり方で袋詰めをすると、従来のやり方より商品に高級感が出やすいです。
お客さまが売場で見たときに、
「あっ、この商品なにか違う」
「こだわった農家さんがつくっているのかな?」
と感じて、選びやすくなります。
他の生産者さんと比べて1割~2割価格が高くても、選んでもらいやすいです。
他の生産者さんと違う袋詰めをしていると、『こだわっている』というイメージを持たれます。
こちらの記事でもお伝えしましたが、野菜の価値が高く感じられるのです。
折角こだわって野菜をつくられているのだから、少しでも高く買って頂きたいですよね。
それが袋詰めのやり方で実現できる。
軍資金ゼロでできる。
かかるのは、ちょっとした手間と時間。
これを実践するかどうか?が稼ぐ農家さんの共通点だと思います。
野菜の袋詰め。
他の農家さんがやっていないやり方をする。
ちょっとした工夫ですが、これで販売量は変わってきます。
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