直売所の売上アップにつながる“見える化”の工夫|袋詰め・タグ・POPで伝わる直売所へ

先日、JAえひめ未来さま主催で「売れる直売所はここが違う! 一緒につくろう! 行きたくなる直売所か~出荷者の工夫が未来をひらく」というテーマで講演を行いました。

直売所の大きな魅力は「生産者の存在感」です。
お客さまは商品を買いに来るだけでなく、「どんな人が作っているのか」「どんな想いがあるのか」に心を動かされます。

講演では、売れる直売所の共通点や、袋詰め・タグ・POPを通じた「こだわり・美味しさの見える化」3つの工夫についてお伝えしました。本記事では、その内容の一部をご紹介します。

直売所の魅力は「生産者の存在感」

直売所が他の販売チャネルと大きく違うのは、「生産者が主役」という点です。

スーパーや量販店では商品だけが並びますが、直売所では作り手の存在を感じながら商品を選ぶことができます。実際に講演でも「お客さまは商品だけでなく人に会いに来る」という言葉を紹介しました。

売れる直売所は、この「生産者の存在感」をうまく活かしています。出荷者一人ひとりの工夫や人柄が売り場を彩り、結果として「また行きたい」と思われる直売所につながっていきます。

「こだわり・美味しさの見える化」3つの工夫

工夫1.袋詰めのアイデアで「こだわり・美味しさ」を伝える

まず、直売所で重要なのは商品の「見た目」です。お客さまは手に取る瞬間、まず視覚的な印象で判断します。袋詰めの仕方一つで「売れるかどうか」が変わるのです。

講演では、実際の写真を示しながら「同じ野菜でも、袋詰めの仕方で売れ方が変わる」実例をいくつか紹介しました。

たとえば、枝豆を例にして、さやを袋に入れる。袋詰めもバックシーリングで巾着型に絞る。上部をセロハンテープで留める。あるいは、さやを枝付きのまま袋に入れるなどのパターンを見比べてもらいました。

その他にも、葉付きの人参や大根がお客さまに喜ばれた話を共有。袋の中で野菜の向きを整える、ボリューム感を出すなど、少しの工夫で「おいしそう」「新鮮そう」という印象を与えることができます。

売れる直売所の事例
袋詰めの方法ひとつでお客さまへの印象は違って見える(スライド資料)

工夫2.タグの活用で「こだわり・美味しさ」の見える化

講演の中でお伝えしたのが「タグを活用した見える化」です。
作り手である生産者は、自分の商品を「美味しい」と思っていますし、「こだわって作っている」という自信をお持ちです。

しかし、その想いをそのまま「うちの野菜はおいしいです!」「こだわって作っています!」と伝えたとしても、すべてのお客さまに受け止めてもらえるわけではありません。

「どの人も自分の商品は美味しいと言うよね」と受け流されてしまうことも少なくないのです。

そこで活きるのが「タグ」です。スライドの写真のように、袋詰めした野菜に小さなタグを1枚添えるだけで、お客さまの受け取り方は大きく変わります。

売れる直売所の事例
タグが一枚入っていることで、「手をかけている」印象が伝わる(スライド資料)

「丁寧に扱われている商品だな」
「わざわざここまで手をかけているのなら、きっと栽培方法にもこだわっているのだろう」

そんなふうに、お客さまが自然と想像を膨らませてくださるのです。

もちろん、タグを入れるには手間や時間がかかります。ですが、その手間を“価値”に変える発想を持ってみるとどうでしょう。
10円、20円でも販売価格を上げてみる。現場の経験からいっても、それでも十分にお客さまに選ばれます。

なぜなら、タグを添えることで「選ばれる理由」が商品に宿るからです。手間を少しかけることで、その商品は「情報のある商品」に変わり、価値が上がります。

工夫3.POPで「こだわり・美味しさ」の見える化

さらに大切なのがPOPです。POPは単なる宣伝ツールではなく、「作り手の声をお客さまに届けるメッセージ」になります。

例えば、講演のスライドでもご紹介した下記の写真をご覧ください。
香川県にある「道の駅 ことひき」さんの産直売り場に設置されていたPOPです。

売れる直売所の事例 POP
香川県にある道の駅ことひきさんの産直売り場でみつけたPOP

冒頭でもお伝えした、生産者さんの”存在感”というか、温かさやお人柄が伝わってきませんか。
(余談ですが…わが家では、こういった生産者さんの温もりが感じられる、道の駅ことひきさんのファンになっています^^)

POPメッセージは生産者の人柄や想いをダイレクトに伝え、お客さまに「応援したい」という気持ちを持たせます。講演ではPOPの実例をいくつかご紹介し、イメージを膨らませていただきました。

情報共有が未来をつくる

最後に強調したのは「お店は一緒につくる」という考え方です。

売れるヒントは直売所スタッフが持っています。成功している生産者は、積極的にスタッフに「どんな商品が売れているのか」「どんな工夫が求められているのか」を尋ねています。

現場の情報を共有することで、売り場全体の質が高まり「行きたくなる直売所」へと進化していきます。これは講演の締めくくりでも大切にお伝えしたメッセージです。

まとめ

今回の記事でご紹介した「袋詰め」「タグ」「POP」の工夫は、JAえひめ未来さまでの講演で取り上げた内容の一部です。どれも特別な投資を必要とせず、現場ですぐに取り組めるものばかりです。

生産者が主役となり、出荷者同士やスタッフと情報を共有しながら工夫を積み重ねていくこと。
それこそが、直売所の売上アップと「また行きたい」と思われる売り場づくりにつながります。

👉 今回の講演の実施レポートは、当社のもう一つのサイトに掲載しています。
JAえひめ未来さまでの講演レポートはこちら

👉 直売所や道の駅で「売上アップのヒントを知りたい」という方は、ぜひ一度こちらもご覧ください。
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